大寒波の翌朝、給湯器が凍結してお湯が出なくなり焦っていませんか?顔も洗えず、お風呂にも入れず、本当に困ってしまいますよね。
まずはこの記事を読んで落ち着いてください。この記事では、給湯器が凍結した時にやってはいけないNG行動と、ご自身でできる安全な対処法を解説します。
安全な手順を踏めばリスクを最小限に抑えられます。解凍後の水漏れチェックの方法、賃貸アパートでの費用負担についても説明していますので最後までご覧ください。
この記事で分かることの要約
給湯器が凍結した時の症状は?

給湯器の凍結といっても、症状によって原因箇所が異なります。まずはご自宅の状況がどれに近いか、落ち着いて確認してみましょう。
お湯も水も出ない:給水配管(水道管)の凍結
キッチンや洗面所、お風呂など家中の蛇口をひねってもお湯も水も1滴も出ないという場合、給湯器本体ではなく家全体に水を供給している大元の給水配管(水道管)が凍結している可能性が高いです。
水道メーター周りや屋外でむき出しになっている水道管が原因であることが多いです。この場合、給湯器の故障ではなく家全体の水道が止まっている状態と言えます。
水は出るがお湯が出ない:給湯器本体または給湯配管の凍結
水は問題なく出るけど、お湯側の蛇口をひねっても冷たい水しか出ない(または何も出ない)という場合です。
このケースでは問題は給湯器周りに限定されている可能性が高いです。給湯器本体の内部、または給湯器からお湯を運ぶ給湯配管が凍結していることが考えられます。
ただし、凍結ではなくガスの供給が止まっていたり、給湯器自体が凍結とは別の原因で故障していたりする可能性もゼロではありません。
リモコンにエラー表示が出ている:「290」「632」など
お湯が出ないのと同時に、給湯器のリモコンに見慣れないエラーコードが表示されていないか確認してください。
もしエラーコードが出ていたら、給湯器が異常を検知しているサインです。凍結に関連する代表的なエラーコードには、以下のようなものがあります。
| エラーコード | エラーの内容 |
|---|---|
| 290 | エコジョーズなどドレン(排水)を出すタイプの給湯器で、ドレン配管が凍結している可能性 |
| 562 | 給湯配管や給水配管が凍結している可能性 |
| 632 | 追いだき配管が凍結している、または浴槽の循環アダプター(お湯の出口)がゴミなどで詰まっている可能性 |
これらのエラーコードが出た場合も、原因が凍結であれば基本的には自然解凍で復旧することがほとんどです。
給湯器が凍結した時に絶対にやってはいけないことは?

お湯が出ないと焦ってしまい、すぐにでも復旧させたいお気持ちは痛いほどわかります。しかし、間違った対処は状況をさらに悪化させ、最悪の場合は配管の破裂につながります。
以下の3つの行動は、絶対にしないでください。
- 配管や本体に熱湯をかける
- ドライヤーの熱風を当てる
- 凍結した給水元栓を力ずくで回す
それぞれのNG行動の詳細を解説します。
配管や本体に熱湯をかける
凍っているなら熱いお湯で溶かせばいいという対処法は、最も危険な方法です。
凍結した配管やバルブに熱湯をかけると、急激な温度変化に金属やパッキンが耐えられず一瞬で破裂したり、ヒビが入ったりします。
破裂すれば水が噴き出し修理費用が高額になるだけでなく、漏電や階下への水漏れといった二次災害を引き起こす可能性もあります。熱湯をかけることは絶対にNGです。
ドライヤーの熱風を当てる
熱湯がダメならドライヤーなら大丈夫と考える方もいるかもしれません。一部のネット情報では紹介されていることもありますが、プロの視点からは推奨できません。
配管には保温材が巻かれており、ドライヤーの熱風を当て続けると保温材や、接続部のゴムパッキンが熱で劣化・損傷するリスクがあるからです。
一時的に解凍できても、将来的な水漏れや保温材の劣化による再凍結の原因を作ってしまいかねません。
凍結した給水元栓を力ずくで回す
お湯も水も出ない場合、水道メーターの近くにある給水元栓(バルブ)自体が凍結して回らないことがあります。
固いと感じた時、絶対に力ずくで回そうとしないでください。凍結で固着しているバルブや配管の接続部を無理やり動かすと、物理的に破損させてしまう可能性があります。
元栓が回らない場合は、元栓(バルブ)部分にぬるま湯をかけるのが正しい対処法です。
給湯器が凍結した時に自分でできる安全な対処法は?

では、どうすれば安全に対処できるのでしょうか?給湯器にダメージを与えず凍結する方法は以下があります。
- リモコンをOFFにし自然解凍を待つ
- 凍結箇所にぬるま湯をかける
- 解凍後、かけた水分を乾いた布で拭き取る
それぞれの詳細を解説します。
リモコンをOFFにし自然解凍を待つ
給湯器や配管にとって安全で確実な方法は、日中の気温が上昇するのを待って自然解凍させることです。
自然解凍の手順は以下の通りです。
- 給湯器のリモコンの運転スイッチをOFFにします。
- このとき、給湯器本体の電源プラグは抜かないでください。抜いてしまうと、凍結予防ヒーターが作動しなくなります。
- 日中の気温が上がり、外気温がプラスになるのを待ちます。
凍結の程度にもよりますが、解凍にかかる時間は数時間~半日程度が目安です。焦らずに待つことが結果的に被害を最小限に抑える最善策となります。
凍結箇所にぬるま湯をかける
どうしても待てない、今すぐ水だけでも使いたいという場合もあるでしょう。応急処置としてぬるま湯を使う方法があります。
お湯も水も出ない場合は、給湯器の下につながっている給水バルブ周り(保温材が巻かれている部分)が凍結しています。
ぬるま湯での解凍手順は以下の通りです。
- タオル、30〜40℃のぬるま湯を準備します。
- リモコンの運転スイッチをOFFにします。
- 凍結していると思われる配管部分(給水バルブ周りなど)に、タオルを巻きつけます。
- 人肌程度(30〜40℃)のぬるま湯を、タオルにゆっくりとかけ続けます。
- 蛇口からチョロチョロと水が出るようになったら解凍が始まっています。
- 水が通常通り出るようになったら、ぬるま湯をかけるのを止めます。
熱湯は厳禁です。必ずぬるま湯にして使用ください。
また、給湯器本体の電源コードやコンセントには、絶対にぬるま湯がかからないよう細心の注意を払ってください。漏電の危険があります。
解凍後に水分を乾いた布で拭き取る
水分を乾いた布で拭き取る作業は、ぬるま湯を使った場合に絶対に忘れず行ってください。
配管やバルブ周りを濡れたまま放置すると、その水分が夜になって再凍結し状況がさらに悪化してしまいます。
ぬるま湯で解凍した後は、必ず乾いた布やタオルで水分を完全に拭き取ってください。ここまでやって応急処置は完了です。
給湯器の凍結が解消した後に確認すべきことは?

お湯が出たと安心するのはまだ早いです。
解凍後に重要な作業が残っています。それは水漏れ・破裂が起きていないかのチェックです。
なぜ水漏れが起こる?凍結で配管が破裂する仕組み
水は液体から個体(氷)になると体積が約10%膨張します。
配管の中で水が凍ると膨張する力が内側から配管を圧迫し、配管にヒビを入れたり、接続部を破損させたりすることがあります。これが配管破裂です。
凍っている間は氷が栓の役割をしているため水漏れに気づきません。しかし、解凍されて氷が溶けた瞬間、破損した箇所から一気に水が噴き出すのです。
水漏れ・破裂がないかチェックする箇所
解凍後、蛇口から水が出るようになったら、すぐに屋外の給湯器周りをチェックしに行ってください。水漏れがないかチェックする箇所は以下の通りです。
| 確認箇所 | 確認内容 |
|---|---|
| 給湯器本体の下(内部) | 本体の下から、ポタポタと水が垂れてきていないか? |
| 配管接続部 | 給湯器に接続されている配管(保温材が巻かれている部分)の根元や保温材自体が不自然に濡れていないか? |
| 水道メーター | 家中の蛇口をすべて閉めた状態で、水道メーターボックスの中にあるパイロット(銀色のコマ)がゆっくりでも回っていないか? |
これらのいずれかに当てはまる場合、見えない場所で水漏れ(配管破裂)が起きている可能性があります。
水漏れが発生したらすぐに止水栓を閉めて専門業者へ連絡!
ポタポタと水漏れを発見したら破裂しているサインです。パニックにならず以下の応急処置をしてください。
- 水道メーターボックス内にある止水栓(元栓)のバルブを時計回りに回らなくなるまで閉めます。
- 破裂箇所が特定できる場合はタオルをきつく巻き付け、水が飛び散るのを防ぎます。
- すぐに専門業者へ連絡し修理を依頼してください。
なぜ給湯器は凍結するの?凍結防止策は?

無事に復旧したらなぜ凍結したのかを知り、二度とこの事態を繰り返さないための対策をしましょう。
凍結する気温の目安は外気温マイナス4℃以下
給湯器や水道管は、特定の条件下で凍結しやすくなります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 気温 | 天気予報で外気温がマイナス4℃以下と予報された日(風が強い場所では、マイナス1℃~2℃でも凍結することがあります) |
| 時間帯 | 水道(お湯)の使用が止まり、配管内の水が動かなくなる夜間や就寝中 |
| 状況 | 旅行などで家を数日間留守にする時 |
| 原因 | 給湯器の電源プラグが抜けている、またはブレーカーが落ちている時 |
給湯器の凍結予防ヒーターを正しく作動させる
現在の給湯器の多くには、寒くなると自動で機器を温める凍結予防ヒーターが内蔵されています。外気温が約3℃以下になると自動的に作動し、給湯器内部が凍らないように守ってくれる重要な機能です。
しかし、このヒーターが作動するには条件があります。それは、給湯器本体の電源プラグがコンセントに差し込まれていることです。
節電のために給湯器の電源プラグを抜いたり、給湯器に繋がるブレーカーを落としたりしていませんか?それが凍結の原因かもしれません。
リモコンの運転スイッチが切でも、プラグさえ刺さっていればヒーターは作動します。冬場は絶対に電源プラグを抜かないでください。
追いだき機能の自動ポンプ運転を活用する
追いだき機能が付いている給湯器には、凍結予防ヒーター(給湯側)に加えて追いだき配管の凍結を防ぐ自動ポンプ運転機能も搭載されています。
外気温が下がると浴槽の残り湯を自動的に循環させ、追いだき配管が凍るのを防ぐ機能です。
この機能を作動させるには、浴槽の循環アダプター(お湯の出口)より5cm以上残り湯があることが条件です。残り湯がないと作動しません。
寒い日の夜は、お湯を抜かずに残しておくことが有効な凍結対策になります。
最も簡単な通水(水をちょろちょろ流す)方法
古い給湯器でヒーターが不安という場合、昔ながらの通水が有効です。水は流れていると凍りにくくなる性質があります。
通水の方法は以下の通りです。
- 給湯器のリモコンの運転スイッチを切にします。
- お湯側の蛇口を少しだけ開け、1分間に約40ml(鉛筆の芯の太さ程度)の水を一晩中流しっぱなしにします。
水道代はかかってしまいますが、配管破裂の修理代に比べればわずかなコストです。マイナス4℃以下の予報が出た夜だけでも実行する価値はあります。
長期間不在にする場合は水抜きを検討する
数日〜数週間にわたって家を留守にする場合は、予防ヒーターが作動していても配管内の水が凍結するリスクが残ります。
この場合は給湯器や配管内部の水をすべて抜いてしまう水抜きが確実な対策です。
水抜きの方法は機種によって異なりますので、給湯器の取扱説明書やメーカーの公式サイトを確認してください。
賃貸アパートで給湯器が凍結・破裂した場合、費用負担はどうなる?

賃貸住宅にお住まいの方で給湯器が凍結・破裂した場合、費用負担を誰がするのか気になることでしょう。責任の所在について解説します。
まずは慌てず、管理会社や大家さんへ連絡
賃貸物件の場合、給湯器は大家さん(オーナー)の所有物です。凍結でお湯が出ない場合や解凍後に水漏れを発見した場合、自分で勝手に修理業者を手配してはいけません。
まずは契約している管理会社や大家さんへ連絡し、お湯が出ないと状況を報告して指示を仰いでください。水漏れ時は止水栓を閉める応急処置をした上で、すぐに連絡しましょう。
修理費用は誰が負担する?
経年劣化や通常の寒波による凍結・故障の場合、その修理費用は原則として大家さん(貸主)が負担します。入居者が安全に暮らせる設備を提供するのが貸主の義務だからです。
入居者が「修理代を払ってください」と請求されることは、基本的にはありませんので安心してください。
入居者の負担になる過失ケースとは?
ただし例外があります。それは、凍結の原因が入居者の過失によるものと判断された場合です。
過失とみなされる例として以下があります。
- 節電のために給湯器の電源プラグを抜いていた、またはブレーカーを落としていた(これにより凍結予防ヒーターが作動しなかった)
- 凍結(水が出ない)に気づきながら、管理会社に連絡せず長期間放置し、結果として配管破裂など状況を悪化させた
このような場合は、入居者が修理費用を負担しなければならない可能性が出てきます。
寒い時期は電源プラグを抜かない、異常があればすぐに連絡する。この2点を守ることが、ご自身の身を守ることにもつながります。
給湯器の凍結対策や水漏れトラブルの相談はどこにすればいい?

凍結は一度起こった場所では再発しやすいものです。根本的な対策を検討しましょう。
自分でできる配管の保温材の巻き付け
屋外でむき出しになっている配管(特に給水管)はありませんか?
ホームセンターなどで専用の保温材や保温テープを購入し、配管に巻き付けることで凍結リスクを大幅に下げることができます。
DIYで巻く場合は、配管に隙間なく巻き付けましょう。上からビニールテープなどでしっかりと固定し、保温材が雨水で濡れないようにすることがポイントです。
凍結防止ヒーターの後付けは可能?
古い給湯器や特に冷え込む地域の配管には、予防ヒーターがついていない場合があります。
その場合、配管に巻き付けるタイプの凍結防止ヒーター(リボンヒーター)を後付けすることも可能です。
ただし、これには電源の確保(屋外コンセントの増設など)が必要になる場合があり、電気工事が伴います。専門業者に連絡し相談してください。
凍結・水漏れ・電気のトラブルは専門業者へ
給湯器の凍結トラブルは、水道・ガス・電気が複雑に関係する問題です。
電気工事の専門業者は、凍結予防ヒーターの作動不良やヒーター後付けに伴う屋外コンセントの増設、漏電のチェックなど電気系統からのアプローチを得意としています。
- 解凍後に水漏れを発見してしまった
- 何度も凍結するので根本的に対策したい
- 凍結防止ヒーターの後付けを検討している
このような場合はお気軽にご相談ください。家のインフラを知り尽くした専門家が、最適な解決策をご提案します。
給湯器が凍結した時に業者を呼ぶべき判断基準を詳しく解説した記事はこちらをご覧ください。
まとめ
給湯器の凍結でお湯が出ない時の対処法について解説しました。
一番大切なことは、焦って熱湯やドライヤーを使わないことです。これらは配管破裂や機器の劣化を招く危険なNG行動です。
安全な対処法は、リモコンをOFF(ただし電源プラグは抜かない)にして自然解凍を待つことです。急ぐ場合のみ、タオルを巻いた上から30〜40℃のぬるま湯を使い、解凍後は必ず水分を拭き取ってください。
そして、解凍後に水漏れが起きていないかのチェックが何より重要です。もし水漏れを発見したら、すぐに止水栓を閉め専門業者へ連絡してください。
根本的な対策や、万が一の水漏れトラブルの際は、どうぞお気軽に私たち電気工事レスキューセンターがサポートします。お気軽にご相談ください。
よくある質問
凍結した給湯器は、どれくらいで自然解凍されますか?
外気温や凍結の程度によりますが、一般的に数時間から半日程度が目安です。例えば、外気温がマイナスで凍結しても、日中の気温がプラス5℃程度まで上がれば、お昼過ぎには解凍されるケースが多いです。
ただし、一日中氷点下となる真冬日の場合は、自然解凍が翌日以降になることもあります。
賃貸アパートで給湯器が凍結・破裂した場合、修理費用は誰が負担しますか?
経年劣化や通常の寒波による凍結・故障であれば、修理費用は原則として大家さん(貸主)が負担します。
ただし、入居者に過失があった場合は、費用を請求される例外もあります。例えば、節電のために給湯器の電源プラグを抜いていた(予防ヒーターが作動しなかった)場合や、異常に気づきながら長期間放置した場合などです。
給湯器のリモコンにエラーコード「632」や「290」が出ました。故障ですか?
凍結が原因である可能性が高いです。
「632」は追いだき配管、「290」はドレン配管の凍結を示している場合があります。これらは故障ではなく、自然解凍されるとエラーが解消されることがほとんどです。
解凍を待った後、リモコンの電源を入れ直してもエラーが消えない場合や、凍結以外の原因も考えられるため、その場合は管理会社や専門業者にご相談ください。
