冬の寒い日や仕事で疲れ切って帰宅した夜、シャワーからお湯が出ないと本当に困ってしまいますよね。お湯が出ないだけで、生活のリズムが一気に崩れてしまいます。

焦ってすぐに業者へ電話をしたくなる場面ですが、少しだけ待ってください。実は、専門家が「給湯器が故障した」という依頼を受けて現場に行ってみると、機械の故障ではなく簡単な操作やメンテナンスで直ってしまうケースもあります。

正しい知識を持って対処すれば出張費や技術料を支払うことなく、今すぐご自身でお湯を使えるようにできるかもしれません。

この記事では、今すぐ業者を呼ぶべき危険なサインと自分で直せる可能性がある症状の違いを分かりやすく解説します。万が一交換が必要になった場合でも、不当に高い費用を請求されたり、機種選びで失敗したりしないための方法も説明します。

まずは今の給湯器の状態を一緒に確認していきましょう。

給湯器の故障にはどんな症状がある?

給湯器の故障にはどんな症状がある?

給湯器のトラブルには必ず原因があり、放置して良いものとすぐに処置が必要なものがあります。

ここでは、温度の不調やエラーコード、異音など5つの症状とその緊急度について解説します。

お湯の温度が安定しない・ぬるい

「設定温度は42度なのに、体感では38度くらいしかない」「シャワーを浴びていると、熱くなったり冷たくなったりする」といった症状です。地味ですが、毎日のことなのでストレスが溜まりますよね。

これには主に2つの原因が考えられます。

一つ目は、給湯器の中で熱湯と水を混ぜて適温を作るミキシング弁という部品の不調です。長年使っているとこの部品の動きが悪くなり、正確な温度調整ができなくなることがあります。特に、お湯の量を絞った時に温度が安定しない場合は、この部品が原因であることが多いです。

二つ目は、冷水サンドイッチ現象です。古い給湯器を使っていると、シャワーを一旦止めて再度出した時に、最初だけ冷たい水が出ることがあります。これは給湯器が再点火するまでの時間差で起きる現象ですが、この冷たい水が出る時間が以前より長くなったり、いつまでも温度が定まらなかったりする場合は、給湯器の能力が限界を迎えているサインです。

キッチンや洗面所では普通に熱いお湯が出るのに、お風呂のシャワーだけ温度が安定しないということはありませんか?

もしそうなら、給湯器は故障していないかもしれません。その場合、お風呂の蛇口(サーモスタット混合水栓)の中にある部品が寿命を迎えている可能性が高いです。これなら給湯器を交換する必要はなく、水道業者に蛇口の修理を依頼するだけで解決します。

リモコンにエラーコード(数字)が表示されている

リモコンに表示される2桁や3桁の数字は、給湯器からのSOSサインです。メーカーによって多少の違いはありますが、よく見かける重要なコードの意味を知っておくと安心です。

エラーコード エラー内容
111、11 点火不良(ガス供給停止、内部の湿気、点火プラグの劣化など)
140、14 過熱防止装置作動(釜や内部の異常過熱)
632 ふろ循環不良(循環アダプターの詰まりなど、故障ではない可能性あり)
710 燃焼制御回路異常(基盤の故障)
888 点検お知らせ(標準使用期間(約10年)経過の通知、故障ではない)

給湯器から異音がする

給湯器が動いている時の音に耳をすませてみてください。音の種類で危険度が判断できます。

異音の種類 症状
「ブーン」「ウーン」 ファンモーターが回っている音。古くなると音が大きくなる傾向がある。
「ピー」「ヒュー」 空気とガスのバランスが崩れている時に鳴る音。燃焼状態があまり良くない。
「ボンッ!」 点火のタイミングが遅れて、内部に溜まったガスに一気に引火する爆発点火を起こしている。最も危険な音。

排気口から黒い煙や変な臭いがする

外にある給湯器の排気口周りが黒く汚れていたり、酸っぱいような刺激臭がしたりしませんか?

これは不完全燃焼のサインです。内部に埃やゴミが詰まって酸素不足になっています。

最近の機種は安全装置で止まるようになっていますが、古い機種だとそのまま動き続け、一酸化炭素を排出してしまう危険性があります。ご自身だけでなく近隣の方への影響も考えられますので、絶対に使い続けないでください。

給湯器の下が濡れている​​

「ポタポタ水が垂れているけれど、お湯は出るから大丈夫だろう」と放置するのは危険です。水漏れは、給湯器の寿命を決定づける致命的な症状の一つです。

原因は、内部の配管に小さな穴が開いているか、接続部のゴムパッキンが劣化していることが考えられます。

一番怖いのは、漏れた水が内部の電気部品にかかってしまうことです。ある日突然ショートして基盤が壊れたり、漏電ブレーカーが落ちて家中の電気が消えたりすることもあります。

修理費用も高額になりがちなので、水漏れを見つけたら買い替えを検討するタイミングと言えます。

寒い日にお湯が出ないのは凍結が原因?

寒い日にお湯が出ないのは凍結が原因?

冬の寒い朝にお湯が出ない場合、機械の故障ではなく配管が凍っているだけの可能性があります。

ここでは、凍結かどうかの簡単な見分け方と、配管を傷めない正しい解凍方法について解説します。

凍結しているかどうかの見分け方

外の気温が氷点下になっていて、お湯側の蛇口からは水が出ないけれど、水側の蛇口からは水が出る場合、給湯器へ水を入れる配管が凍っている可能性が高いです。

リモコンの電源は入るけれど、お湯を出そうとしても反応しないのが特徴です。

正しい対処法とやってはいけないこと

早く溶かしたいからといって、配管に熱湯をかけるのは避けてください。急激な温度変化で配管が破裂したり、接続部が破損したりする原因になります。

基本的には、気温が上がる昼頃まで待つ自然解凍が最も安全で確実です。

どうしても急ぐ場合は、凍結していると思われる配管(保温材が巻かれていないバルブ部分など)にタオルを巻き、その上から人肌程度のぬるま湯をゆっくりとかけてください。

業者を呼ぶ前に自分でできる給湯器の直し方や確認ポイントは?

業者を呼ぶ前に自分でできる給湯器の直し方や確認ポイントは?

故障だと思って業者を呼んでも、実は簡単なメンテナンスやリセット操作だけで直ってしまうケースが少なくありません。

ここでは、無駄な出費を抑えるために、電話をする前にご自身で試せる復旧チェック項目について解説します。

ガス・水・電気の供給元を確認する

給湯器本体ではなく、供給元に原因があるケースは意外と多いものです。以下の点を確認してください。

ガスメーターの遮断

大きな地震だけでなく、長時間お湯を出しっぱなしにした(シャワーの止め忘れなど)場合も、ガスメーターの安全装置が作動してガスを止めてしまうことがあります。

屋外のガスメーターを見て、赤いランプが点滅していたら、復帰ボタンを長押ししてください。

ガス栓の確認

給湯器周りの掃除などをした際に、ホースが引っ張られてガス栓が少し閉まってしまうことがあります。

全開になっているか確認しましょう。

ブレーカーの確認

家全体の電気ではなく、給湯器の回路だけブレーカーが落ちていることもあります。ブレーカーが落ちてないか確認しましょう。

電源プラグの抜き差しでリセットする

パソコンの調子が悪い時に再起動すると直るように、給湯器もリセット(再起動)で直ることがあります。

ただし、以下の正しい手順で行う必要があります。

  1. 室内でお湯を使っていないことを確認し、リモコンの運転スイッチを切る
  2. 屋外の給湯器本体の電源プラグ(コンセント)を抜く
  3. 最低1分、できれば5分ほど待つ
  4. プラグを差し込み、リモコンの電源を入れる

コンセントを抜いてすぐに差し込むのではなく、内部の電気が放電されるまで少し待つのがポイントです。

これでエラーが消えれば、一時的な誤作動だった可能性があります。ただし、ガス臭い時は引火の危険があるため、コンセントには触れず、すぐにガス会社へ連絡してください。

フィルターの掃除をする

「お湯は出るけれど、最近シャワーの勢いが弱い」という場合は、給湯器の給水接続口にある水抜き栓(ストレーナ)を確認してください。

ここに水道管のサビや砂利が詰まっていることがあります。取扱説明書を見ながらフィルターを掃除するだけで、水圧が戻ることがあります。ご自身でできるメンテナンスの範囲内の作業です。

給湯器は修理と交換どっちがいい?寿命や費用の判断基準

給湯器は修理と交換どっちがいい?寿命や費用の判断基準

いざ直すとなると、安く済む修理か、将来を見据えた交換かで迷ってしまいますよね。

ここでは、給湯器の寿命目安や、費用対効果で損をしないための具体的な判断基準について解説します。

給湯器の10年の壁

給湯器には、安全に使用できる期間として設計標準使用期間が定められており、それが10年です。

メーカー側も製品の生産終了から10年を過ぎると、修理用の部品を保有する義務がなくなります。つまり、10年を超えた給湯器は、直したくても部品がないため修理できない可能性が高いのです。

また、10年も使っていればあちこちの部品が劣化しています。今回お金をかけて一箇所直しても、すぐに別の場所が壊れてまた修理代がかかるといった悪循環に陥りやすくなります。

費用対効果で見る決断のタイミング

おおよその費用感で比較してみましょう。

修理の場合

  • 軽度の修理(センサー交換など):1.5万円〜2.5万円程度
  • 重度の修理(熱交換器、基盤など):3万円〜5万円以上

新品交換の場合

  • 10万円〜20万円前後(機種や業者による)

設置から7年未満なら、まだ寿命まで期間があるので修理が良いでしょう。

設置から8年以上経過していて、修理の見積もりが3万円を超えるようなら、思い切って交換することをおすすめします。最新の給湯器は熱効率が良く、ガス代が安くなるメリットもあるため、長期的に見れば交換の方がお得になるケースが多いです。

賃貸物件にお住まいの方

もし賃貸アパートやマンションにお住まいなら、ご自身で勝手に業者を手配して交換するのは避けてください。給湯器は建物の設備であり、所有者は大家さんです。

管理会社か大家さんに「お湯が出なくて困っている」と連絡すれば対応してくれます。夜間などで連絡がつかない場合でも、契約書にある緊急連絡先を確認してみてください。

給湯器の交換費用や選び方は?

給湯器の交換費用や選び方は?

交換することに決めても、機種の種類や依頼先を間違えると、使い勝手が悪くなったり高額な費用を払ったりすることになりかねません。

ここでは、エコジョーズのメリットや適切な号数の選び方、信頼できる業者の見極め方について解説します。

エコジョーズは本当にお得?

見積もりを取ると、省エネ型のエコジョーズを勧められることが多いと思います。本体価格は従来型より高くなりますが、本当に元は取れるのでしょうか?

4人以上の家族など、お湯をよく使うご家庭ならおすすめです。ガス使用量を減らせるため、ガス代が高いご家庭なら1〜2年で差額を回収でき、その後はずっと得し続けます。

一方で、一人暮らしでシャワーしか使わない方は無理にする必要はありません。ガス使用量が少ないと、差額を回収するのに時間がかかります。初期費用を抑えたいなら、従来型で十分です。

ストレスなく使える号数の選び方

「冬場、キッチンで洗い物をされるとシャワーの水圧が弱くなる」という経験はありませんか?それは給湯器のパワー(号数)不足です。

交換時はパワーアップのチャンスでもあります。

  • 16号:一人暮らし向け。同時使用は苦手
  • 20号:2〜3人家族向け
  • 24号:4人以上向け。シャワーとキッチンと洗面所で同時にお湯を使っても水圧が安定

20号から24号への変更は数千円の差額で済むことが多いので、快適さを求めるならサイズアップを検討してみてください。

信頼できる業者の見分け方

業者選びで失敗しないためには、価格だけでなく信頼性も重要です。

激安広告には注意

広告の料金は本体代のみの価格かもしれません。

工事費や処分費を含めた総額を確認することが大切です。

資格の有無

給湯器交換には国家資格が必要です。

ホームページに液化石油ガス設備士やガス機器設置スペシャリストなどの資格が明記されているか確認しましょう。

見積もりの透明性

「現場を見ないとわかりませんが、とりあえず安くします」と言葉を濁す業者は避けましょう。写真を送ることで、追加料金なしの確定見積もりを出してくれる業者が安心です。

まとめ

給湯器のトラブルは突然やってくるので、どうしても焦ってしまいますよね。しかし、落ち着いて状況を確認することで、無駄な出費を防げる可能性があります。

以下の順に給湯器のチェックを行いましょう。

  1. まずはエラーコードや症状、凍結の可能性をチェックする
  2. 電源リセットやフィルター掃除を試してみる
  3. 使用年数(10年が目安)を考慮して修理か交換かを判断する
  4. 交換する場合は、必ず工事費込みの総額で見積もりを取る

このステップを踏めば、きっと納得のいく解決ができるはずです。

最近は、スマホで給湯器の写真を撮ってLINEなどで送るだけで、すぐに見積もりを出してくれる親切な業者も増えています。「これって故障かな?」「いくらかかるのかな?」と不安になったら、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。

温かいお風呂にゆっくり浸かれる日常が、一日も早く戻ってくることを願っています。

よくある質問

給湯器から変な音がしたり、煙が出たりした場合はどうすればいいですか?

「ボンッ」という爆発点火のような音や、排気口からの黒煙・刺激臭は不完全燃焼のサインであり非常に危険です。一酸化炭素中毒や火災につながる恐れがあるため、すぐに使用を中止してください。自分での対処はせず、早急に専門業者へ点検・修理を依頼してください。

給湯器のお湯が出ないとき、業者を呼ぶ前に自分で確認できることはありますか?

まずはガスメーターが遮断されていないか、コンセントが抜けていないかを確認してください。一時的な誤作動であれば、リモコンの電源を切り、本体の電源プラグを数分間抜いて差し直すリセット操作で復旧する場合があります。

また、冬場は配管の凍結が原因のこともあるため、自然解凍を待つのが基本です。

お湯の温度が安定しない原因は何が考えられますか?

給湯器内部のミキシング弁という部品の不調や、古い機種特有の冷水サンドイッチ現象が考えられます。

ただし、キッチンなど他では問題なく、お風呂のシャワーだけが不安定な場合は、給湯器ではなく浴室の蛇口(混合水栓)の故障かもしれません。その場合は給湯器の交換ではなく、蛇口の修理で解決します。

給湯器を修理するか、新品に交換するかを決める基準はありますか?

設置から10年が経過している場合は、部品の保有期間が過ぎていることが多く、他の箇所の故障も続く可能性があるため交換が推奨されます。

購入から7年未満であれば修理を検討すべきですが、8年を超えていて修理費用が3万円を超えるようなら、省エネ性能の高い最新機種への交換がお得になるケースが多いです。